もえもえ図鑑

2008/09/16

新星の武器庫(43)

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 朝食の席に現れた領主レイラスは、まるで昨晩ずっと一睡もしていないような、蒼白の顔で、文字通り頭を抱えていた。
 侍従が差しだした煙管も、いらないといって断り、水も喉を通らないらしいスィグルを見て、ギリスは何事かと思った。
 いつ降り始めるやら怪しい曇天では、気晴らしに庭で朝食を食うわけにもいかず、宮殿の白い部屋に閉じこめられた感がある。いつもなら美しく、どことなく夢のような趣味の匂う宮殿内も、雨季に入った薄暗さで、湿っぽく、陰気なような気さえする。
「どうしたの、葬式みたいなツラして」
 朝の挨拶をする雰囲気でもなく、ギリスは領主の右脇に用意された自分の席につきながら、思わず、本題を切り出した。
「緊張してきた……」
 掠れた小声で、スィグルが蚊の鳴くように言うので、ギリスはぎょっとした。
「昨日、一晩、考えてみたら眠れなくなって……」
 確かに、そう話すスィグルの金色の眼は、爛々としていて、食卓に肘をついて頭を抱え、床の一点を見据えている割に、ほとんど落ち着きがなかった。
「僕には無理じゃないか。ファサルを調伏するのは。考えれば考えるほど、どうしてそんなことができるって思ったのか、良く分からなくなってきた」
 どういう意味で言われているのか分からず、ギリスはぽかんとした。
 スィグルの目元に、うっすらと隈ができている。本当に寝ていないらしかった。そういう窶(やつ)れた目をしていると、スィグルの顔には、なにか陰惨な凄みがあった。
「勝算があったんじゃないの」
「それは、あったはずなんだけど。頭の中では……」
 見開いていた目を指で覆って、スィグルはいきなり呻いた。
「天使が出てきて、君のは空論だって言うんだ」
「夢だろ、それは」
 ギリスはそう励ましたが、スィグルは首を横に振った。
「いや、夢じゃない。寝てないんだから。だから、強いて言えば、妄想?」
「お前……幻覚が見えるの?」
 さらにぎょっとして、ギリスは思わずごくりと留飲していた。
 いつぞや、イェズラムが、スィグルの父親が即位したてのころに、族長冠の重圧に気を病んで、幻覚が見えるようになったことがあると言っていた。王家の血筋には、そういった、浮世離れしたところがあるらしく、スィグルにもとうとう、そんな血が現れたのかと、背筋が寒くなってきた。
「見えないよ。昔、実際に天使とそんな話をしたことがあったんだ。僕の理論は、現実味がないって、あいつはいつも言うんだ。それを思い出したら、急に心配になってきて、それで……なんだかいろいろと、自信がなくなってきちゃったんだよ」
 本当に自信なさげに、スィグルは話していた。
 人質として学院にいた頃の記憶が関連しているらしく、つまりスィグルが言っているのはブラン・アムリネスのことだろう。その慈悲の天使が、なぜ人の自信を奪うのか、ギリスにはさっぱり見当もつかなかった。
「お前にも昨日、ずいぶんなことを言ったよな。鞭で殴ったし」
 顔を覆ったまま、スィグルは鬱々と言った。
「ずいぶんなことって、単騎駆けするなって話?」
 スィグルはひどく暗い目を上げ、頷いた。なんとなくいたたまれず、ギリスは痒みのあった肩を掻きそうになったが、それが話題の鞭傷だと気付いて、あわてて手をひっこめた。しかし案の定、スィグルはますます暗い目をした。
「お前がファサルを捕らえてきたんだったよな、ギリス。考えようによっては、お前が追わなきゃ、逃げられてたのかもしれないよ。だけど僕は、勝手に指揮を放棄せず、命じて他の兵に追わせればいいじゃないかって思ったんだよ。でもそれは、後でお前にこっそり言えばいい話だったよな。たとえば今みたいな、他の者のいない時にさ。けどな、昨日戻って、宮殿の床を踏んだ瞬間、自分の中で、何かがぶちっと切れたんだよ。その時たまたま、お前が目に入ったんだ」
 ぺらぺらと説明してくるスィグルの目は、完全に据わっていた。酔っていないことは明らかだったので、返ってその目は不気味だった。
 こいつの中で、何かがぶちっと切れるのは、いつものことで、珍しいことではなかった。ただそれを、本人が気に病んでいることを、ギリスは今まで知らなかった。
「僕はさ、頭が変なんじゃないか。アンフィバロウの血筋には、そういうのが時々いるらしいだろ。僕がそうなんじゃないか。どうしてそんなに、弱いんだろうな、僕は。ほんとはもっと、相応しい者に道をゆずって、死んだ方が部族のためじゃないか。父上みたいな名君に、なれっこないから」
 真顔で言っているスィグルは、どう見ても本気のように見えて、ギリスは自分が段々、震え上がってくるのを感じた。しかしとっさに、何と言ってやればよいか、思いつかず、頭の中は真っ白だった。
「……そんなことまで、真剣に思えてきてさ、参ったよ」
 表情ひとつ変えず、スィグルは話を続けた。
「でもさ、自信っていうのは、必要なときには、絞り出してでも持つべきもんだよな」
 そう言うスィグルに、ギリスは慌てて、こくこくと頷いて見せた。それを見て、スィグルも微かに、頷き返してきた。
「だからさ、内心では悪いとは思ってるんだけど、お前を叱責したことは、謝らないから。独走して、僕の気に障るようなことをしたお前が悪いんだ、ギリス。だから僕は、お前の将として、正しいことをしたんだ。僕は過去に散々な目にあってきたけど、今でも一応正気だ。母上やスフィルはおかしくなったのに、僕が平気だったのは、僕が強かったからだ。グラナダもよく治めているつもりだし、父上もきっと、それを認めてくださるだろう。そうだよな?」
 ギリスは迷ったが、やむなく頷いた。しかし、ぎこちない頷き方になった。
 皆の前で鞭で殴られた件は、俺が悪かったってことになるのか、結局。それだけが納得いかないのだが。
 しかし、こちらが頷いたのを見て、スィグルの目に浮いていた、暗い曇天のような薄闇に、一条の光が射したようだった。
「やっぱり、そうだよな……。ファサルだって僕の話を無下には断らないだろう。断れば、処刑されるんだから。さしもの盗賊だって、やっぱり死ぬのは怖いよな」
 それはどうだか分からなかった。一代目のファサルは処刑されたという話だったし、それと知りつつ二代目か三代目かになったような酔狂なやつが、名誉と天秤にかけられた死を恐れるかどうかは。
 それでもギリスはなんとか頷いた。ほぼ無理矢理だった。
「そうか。お前もそう思うんだったら、それでいいよ。正直、お前じゃ頼りないけど、他の誰かに相談するわけにいかないし。僕は誰かに、そうだって同意してもらいたいだけだったんだから、お前でもいいよな」
 ギリスはあぜんとした。
 スィグルは、安堵したように、はあっと長いため息をつき、冷たく冷えた水の杯をとった。
「なにか腹に入れて、気合いを入れよう。盗賊がなんだ。僕の敵じゃない……」
 そう言って水を飲み、スィグルはしばらく、宙を睨んでいた。そしてやがて、ふと目を閉じ、それから渋面になった。
「うう、また猊下が出てきた。消えろ!」
 何かを振り払うように、強い声で言って、スィグルは水の杯を乱暴に膳に戻し、やけっぱちのような勢いで朝食にとりかかった。
 そうだった、とギリスは思った。
 こいつは自信のない質で、見かけによらず、いったん折れると弱い。癇癪を起こしているうちは、まだましなほうで、弱気になりはじめると、とことん弱気だ。その浮き沈みが激しいのは、確かに普通ではなく、王家の癇質の現れと言えた。弱気、強気、癇癪の、三本柱を行きつ戻りつするのが、アンフィバロウの血筋の者の性質らしく、代々の族長には、多かれ少なかれその要素がある。
 先代の族長デールは、弱気に傾き、たまに猛烈な癇癪を起こしたらしいが、強気でいる時がほとんど無かったらしい。廷臣たちの進言にふらふらと惑わされ、甘言にも弱く、治世はとことんまで混乱した。
 当代の族長リューズは、傍目に見る限り、常に強気だ。しかし即位したての頃に幻覚を見たという話は、一部の者しか知らない秘密であるとはいえ、その精神に弱点があることの証拠だった。それと同時期に、族長は苛烈なまでの粛正を行って、同族殺しも厭わなかった。捕虜を惨殺した話も、この頃に集中している。
 イェズラムはこの暴れ馬のような新星の手綱を巧みにとった。そのお陰でリューズ・スィノニムは名君となったのだと、ギリスは信じていた。
 先代と当代の族長に、なにか決定的な差があったのか、ギリスには良く分からなかった。もしかして、実は大差なかったのだとしたら、大変なことだ。その片方が暗君で、もう片方が名君だというなら。
 スィグルはどう見ても、我が儘なまでの強気な性格で、そして時に猛烈に弱気で、場合によっては一瞬で、度を失って怒鳴り散らすほどぶちっと切れた。
 もしもこいつを、俺の三つ子の弟分(ジョット)どものように、三つに分割して、我が儘でもいい、王族らしく気高くて強気なところだけ取り出し、あとの二つをどこかに隠しておくことができたら、どんなにかいいのだが。
 しかしもう、すでに生まれ出てきているからには、そんなことは無理だった。
「スィグル……」
 黙々と、薄く焼いた麦のパンを千切って食っているスィグルを見つめ、ギリスは呼びかけた。
「あのさ、一昨日の夜も言ったけど」
 話しかけても、スィグルは聞こえていないみたいに、食べ続けていた。
「お前は、新星なんだから。この部族で一番、高貴な血筋の生まれで、支配する運命なんだから。アンフィバロウの再来だから。盗賊なんてさ、自信を持って、ガツンといっときゃ上手くいくって。お前の目を見ただけで、こそ泥なんて、縮み上がってひっくり返るよ」
 試しにギリスは、思いつくかぎりのことを言ってみてやった。
 するとスィグルは、ふん、と鼻で笑った。
「馬鹿か、お前は。そんな調子のいいことを言って」
 大抵、素直に一回では受け入れないから、そこで退かずに、もう一押ししろ。
 かつて養父(デン)から教えられた話を、ギリスは思い返した。
「本当だって。俺は本気でそう思うから。お前ってときどき、いかにも王族って感じだよ。さすがリューズ・スィノニムの血を引いているというかさ。最近けっこう、似てきたんじゃない。イェズラムもお前が他の兄弟より、族長に似てるから、新星に選んだって言ってた」
 似てるって、まさか、こういう意味だったんじゃないよなと、ギリスは思い出の中の養父(デン)に問いかけた。
 スィグルは黙然としたまま、パンを千切る手を止めていた。その顔は悶々としていたが、しばらく考えてから、スィグルはぽつりと訊ねてきた。
「似てるって、どこが。顔は全然父上に似てないよ。目の色くらいだよ」
「それこそアンフィバロウ家の魔法に満ちた黄金の目じゃん。血筋の証だよ」
 ギリスはとにかく押した。
 スィグルは苦笑してそれを聞いていた。それでも、とにかく笑っていた。
 もしかして今、これが競馬なら、最後の直線に入ったところではないかと、ギリスは思った。
「目が似てるだけで名君になれるのか」
 スィグルはこちらを見つめて、そんなわけないだろという口調で訊ねてきた。だが、その声は、なんとなく嬉しげだった。
「性格が似てるんだって。イェズラムがそう言ったわけじゃないけど、俺はそう思うんだよ。お前って、強気でいってる時には、なんとなくだけど、お前の親父を彷彿とさせるんだって」
 頷きながらギリスが説得すると、スィグルはくすっと笑った。
「父上なら盗賊ぐらい、一瞬で説得するんだろうな」
 お前の親父なら、盗賊ぐらい、一瞬で処刑するからと、ギリスは思ったが、その言葉を必死で呑み込み、大きく頷いてみせた。
「お前だって、それくらいちょろいよ。強気でさえいれば。なんせ名君の息子なんだから」
「……エル・イェズラムは、僕が兄弟のなかで、いちばん父上に似てるって、本当に言ってた?」
 それは本当に言っていた。ギリスは頷けるかぎり頷いてやった。
 するとスィグルは、にっこりと笑った。まるで曇天を割って燦然と輝く太陽のようだった。
「そうか。じゃあ、そうなのかなあ。エル・イェズラムは父上を、ご幼少のころから親しく知っているのだろう。確かに父上にだって、僕ぐらいの年頃はあったんだし、その頃には弱気におなりのことも、時にはあったかもしれないよな」
 あった。あったらしい。ギリスはとにかく頷いた。頷いて何とかなるなら、二百連発の大連弩にだって負けないくらいの大連発で頷いてやる覚悟だった。
 スィグルは急に、にこにこしはじめた。
「僕も頑張らなきゃ」
 ご機嫌そのものの顔で、スィグルはまた、食事を続けた。今度はどことなく、うきうきしたような仕草だった。
 はぁ、とギリスはため息とも言えないような息をついた。今まで息をしていたか、記憶になかった。
 イェズラムが言っていた、スィグルが親父に似ているという話は、たぶん本当のことだった。そして、たぶんそれは、性格のことだった。
 玉座の間(ダロワージ)から叩頭して見上げるぶんには、玉座に座っている男は、ひたすら高貴な王家の血筋を示し、余裕の笑みにも些細なひと言にも、うっとり来るような説得力があったし、戦場での気安い振る舞いや、蛮勇とも思えるような、それでいて兵を魅了する行動は、ギリスの目には、名君と呼ばれるにふさわしい才能を示しているとしか思えなかった。族長は戦上手で、上手く兵をその気にさせていたし、命じられた作戦は、戦う身にとっては血の騒ぐ旨味のあるものばかりだった。
 子供のころは、ギリスはそんな作戦も、全てイェズラムが考えてやっているのだと思っていた。しかし養父(デン)に問いただしてみれば、そうではないらしかった。戦術は全て、族長ひとりの発想らしい。その才を見込んで、侵略に脅かされる部族領を救うための新星として選んだのだと、イェズラムはギリスに教えた。それ以外のところに、難があっても、目をつぶれる時代だったと。
 必勝が求められる決死戦の時代に、発想力に富んだ戦上手の名君が即位して、それにどんな難があったのかと、ギリスには理解できなかったが、今、養父(デン)の苦労が、なんとなく分かった。
 あの族長の難は、おそらく、玉座の間(ダロワージ)からは見えない死角にあったのだ。
 スィグルを名君にするには、俺がこいつの難を、玉座の死角にくるように、手綱をとってやらないと。
 ギリスはなんとなく青ざめて、機嫌良く食事をしているスィグルを見つめた。
 いつぶち切れるかわからないこいつが、玉座から喚かないようにするなんて、絶対無理だ。傍でなだめたところで、八つ当たりされるのがオチだ。傍目も気にせず、殴る蹴るされる。それに、いつ弱気になるかもわかんないのに、いつも張り付いて、いちいち励ませっていのうか。
 要するに、そういうことだとギリスは気付いた。
 ぶち切れたこいつが、誰彼かまわず蹴り倒さないように、傍に控えていて八つ当たりされ、弱気になったら、鳥肌の立つようなお世辞でも言って励ませということだ。それも仕事のうちだったのだ。
 げほっとギリスは噎(む)せた。
 しかし弱っている場合ではなかった。
 ギリスは出遅れていた朝食にとりかかった。
 とにかく沢山食うやつが生き残るのだと養父(デン)は言っていた。新星の射手は体が資本だ。強靱でなければ勤まらない。無痛であれば、なお理想的。射手には、ただの英雄にはない資質が必要になる。
 それは忍耐力だと、養父(デン)は言った。
 ギリス、お前は我慢強い。痛みも感じない。だからきっと、いい射手になれる。
 でも、だからってまさか、それだけの理由で俺を選んだんじゃないよね、イェズラムと、ギリスは思った。
「さあ、今日はファサルをやっつけなきゃな。三つ子はどうしてた、ギリス」
 にこにこと果物にとりかかりながら、スィグルが訊ねてきた。
「ああ、あいつらなら大丈夫。元気だから」
 詳しく言ってもしょうがないので、ギリスは適当なことを言った。スィグルの強気が急降下するような事を、もう知らせたくなかった。
「ひどく痛んだようだったか」
「いいや、薬をやったら、すぐ治ったよ」
「そうか。必要ないなんて言ってたけど、結局あいつらの幻視術に助けられたもんな。後日、もっとちゃんとした褒美をやるよ。あの服は、前から用意してたやつで、特に昨日の褒美ってつもりで縫わせたわけじゃなかったんだ」
 こちらの嘘を大人しく信じているらしいスィグルに、ギリスはただ頷いて答えた。
 頭がいい割に、スィグルは甘っちょろいお坊ちゃんで、ぽかんと抜けたように素直な所もあるやつだった。
「そういえば、お前ももうすぐ誕生日なんだろ」
 スィグルは、やれやれという顔だった。時には耐え難いらしいその話題も、気分が上がり調子になってきた今なら、皮肉めいた微笑ひとつで堪えられるらしかった。
 こいつには気分が全てだと、ギリスは感じた。
「誕生祝いに何をやろうか。欲しいものがあるなら言っていいよ」
 スィグルは人にものをくれてやるのが好きなようだった。
 後で三つ子に、なにか強請らせようと、ギリスは思った。ラダックは怒るかもしれないが、些細な贈り物に、ごきげんで喜ぶ三つ子を見れば、きっとこいつは俺の弟分(ジョット)どもをさらに気に入るだろう。
「思いつかないから、考えとくよ」
「お前はほんとに物欲の薄い男だな」
 ギリスが興味のないふうに答えると、スィグルは微かに、気を削がれた顔をした。
 まずい、まずいと、ギリスは苦笑した。
「今はそんなことより牛の目のファサルだよ」
 ギリスが思考の転換を促すと、スィグルは轡(くつわ)を向けられたほうを、素直に見つめたようだった。
 考え込むような、深い集中した視線をして、スィグルが立ち上がった。
「そうだな。行こうか」
 スィグルはもう、頭の中で何かを組み立てている顔をしていた。たぶん、ファサルをやっつける段取りだろう。
 こちらの朝食はまだ殆ど手つかずだったが、スィグルは気づいていないらしい。
 ギリスはおとなしく立ち上がった。空きっ腹だったが、今は突き進む新星を引き留めたくなかった。このまま上がり調子の波に乗って、一気に駆け抜けるのが得策だ。
 この俺に朝飯を抜かせるなんて、こいつの世話が焼けるのも、相当なもんだとギリスは思った。
 まったく弟(ジョット)どもには祟られている。いよいよ早くも、夜も眠れず、飯も食えなくなってきた。
 養父(デン)に面倒を見られていた昔が懐かしいが、しょうがない。俺も一人前になったってことだろうと、ギリスはやむなく納得した。
 気合いたっぷりの早足で、部屋を出て行くスィグルに、侍従たちが扉を開いた。ギリスはそれに半歩遅れて従って、謁見の広間を目指した。

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